★フランス国民戦線 30周年記念党大会に出席★
(2003/05/20更新:レポートを追加)


 フランス国民戦線のルペン党首より招待を受け、木村三浩・鈴木邦男の両名は、「フランス国民戦線 30周年記念党大会」に出席しました。

 大会は4月19日から21日にかけて3日間の日程で行なわれ、ロシア自民党のウラジミール・V・ジリノフスキー氏ほかが出席し、演説しました。

 木村も日本からのゲストとして演壇に立ち、スピーチを行ないました。

 ★木村フランスレポートはこちら
 ★木村のスピーチの内容はこちら



木村フランスレポート

フランス国民戦線のルペン党首と会見

 フランス国民戦線のジャン・マリー・ルペン党首といえば、昨年のフランス大統領選で社会党のジョスパン氏を破り、決選投票でシラク氏と一騎打ちを演じた人物です。日本でも「極右の台頭だ」などと大きく報じられたので、記憶に新しい方も多いでしょう。当のフランスでは「ルペン・ショック」という言葉もあったほどで、日本人の想像以上に大きな衝撃が走ったようです。左派陣営までがシラクを応援し、マスコミも「民主主義が危ない」などといって、こぞってルペン批判を繰り広げました。

 しかし、このような大逆風のなかでも、ルペン氏は決選投票で18パーセントの票を獲得、シラク氏には敗れたものの、過去最高の得票率となったのです。

 そんな彼に、興味を持っていた私は、機会があれば会いたいと思っていました。そして、昨年九月にロシア自民党のジリノフスキー党首の呼びかけで「世界愛国者会議」が開かれた際に、そこで会った国民戦線のメンバーと交流が始まり、近著『鬼畜米英』(鹿砦社)には、ルペン氏から貰ったメッセージを掲載しています。

 そしてついに年明け早々、「四月に国民戦線の結成三十周年記念大会があるので来ないか」という招待を受けました。私は一水会顧問の鈴木邦男氏を誘って、フランス南部の保養地・ニースまで出かけました。手紙や人づてで連絡をとっていたルペン氏と、直に対面することになったのです。

 日本からはるばる来た、ということで、ルペン氏は大会中の忙しい時間を割いて、特別に我々と会見してくれました。ここには党ナンバー2のゴルニッシュ書記長も同席。彼はかつて京大で学んだ日本通で、ルペン氏と私たちの間で通訳もしてくれました。


写真:左からゴルニッシュ書記長、鈴木邦男、ルペン党首、木村。

誰かがアメリカを止めなければ

 ルペン氏は、昨今のアメリカの単独行動主義やグローバリズムに対する怒りを表明し、特にイラク問題では、

「この問題は国際規範が守られるかどうかの瀬戸際だった。アメリカの無法な軍事的支配や、グローバリゼーションという経済的支配は、放置しておくと危険だ。やがて世界中の伝統文化を破壊するだろう。私はフランス文化を守るためにも、アメリカに歯止めをかけなくてはと考えているのだ」

と語りました。一方で彼は、日本の状況について聞いてきましたので、私は次の通り説明しました。

「敗戦後、アメリカは日本の憲法や教育基本法を無理やり変えてしまい、それが未だに通用しています。米軍基地は全国に134あり、そこに4万7千人もの米兵が駐留し、その経費の7割は、日本側が負担しているのです。政府は日米同盟を最優先するあまり、独自の外交戦略や防衛戦略を持てないでおります。日本の民族派にとっては、これは屈辱です。我々は安保克服による真の独立を目指しています」

私の言うことをしばらく黙って聞いていたルペン氏は、フーッと溜息をつき、半ば憐れみの混じった表情でこう言いました。

「戦後六十年も経つのに、日本がまだ独立国ではないというのは如何なものか…」さらには、「日本はせっかく独自の文化と経済力を持っているんだから、政治的にもぜひ、独立を勝ち取ってほしい。私はそれを見守りたい」

と、激励までされてしまいました


写真:ルペン党首と奥様のジャニーさんと


「本当のこと」がいえるのはルペンだけ

 3日間の党大会を通じて、ルペン氏は何度も演壇に立ち、二時間ぶっ通しで演説することもありました。しかし、ジョークや身振り手振りを交えて聴衆を笑わせ、決して飽きさせることがありません。これが、彼のカリスマ性であり、才能なのでしょう。

 会場に集まっていた党員の中では、年配者が比較的多かったのですが、「FNJ」(ナショナル・フロント・ジュニア)という一団は若者で構成され、会場整理、受付などを颯爽と仕切っていました。とはいえ、黒シャツやスキンヘッドなどといった「いかにも」な服装の者はほとんどおらず、大抵がこざっぱりした学生風です。

 休み時間中には、なるべく多くの人に声をかけ、なぜ国民戦線に参加するに至ったのかを訊いてみました。すると、

「簡単だよ。我々フランス人の気持ちを代弁し、『本当のこと』を言ってくれるのはルペンしかいないんだ。フランスの未来や文化を守るためには反EU、反移民、反グローバリゼーションしかないのに、他の党は綺麗ごとばっかり言ってるからダメなんだよ」

という答えが返ってきました。

 ヨーロッパがEUによって統合され、国境がなくなれば、移民がいま以上にフランスへ殺到することは間違いないでしょう。現在フランス国内には移民が450万人、不法移民が50万人いると言われていて、国民の10〜12人に1人が移民という状態だというのです。

 「何百万という移民が押し寄せてくる恐怖感は、日本人には分からないかもしれない」と、私は以前にジリノフスキー氏(ロシア自由民主党党首)に言われたことがあります。

 先ほどの青年によれば、国民戦線とルペン党首は、多くのフランス人が感じているその種の恐怖感を、綺麗ごとではなく「本当のこと」として語っているといいます。だから支持率が上がり、「隠れシンパ」も多いのだと…。

 また、「移民に多額の社会保障をするならば、同じお金を使って移民の母国に援助を行い、移民にならずに済むようにしたほうが、お互いのために良い」、というのも彼らの持論です。それも尤もなことだと思います。

 ルペン党首は、「第五共和国は私ひとりから」と語ったドゴール将軍のように、「自分ひとりでもやる」という気概を持って、実際に行動もしてきました。かつてアルジェリア左翼ゲリラに自宅を爆破され、命を狙われるなど、白刃の下を何度もくぐってきたのです。そのせいか、彼には凄味があり、高齢にもかかわらず、堂々としてエネルギッシュです。
 
 翻って日本の政治家を見ていると、「アメリカ様」が怖くて、「本当のこと」がいえない人があまりに多すぎるのではないかと思います。例えばイラク攻撃の際、国民世論は8割がイラク攻撃反対でした。これこそが我々にとっての「本当のこと」です。

 にもかかわらず、日本政府は「国連主義主義」という無難な主張を繰り返しつつ、ひとたびアメリカのイラク侵略が始まると、これを盲目的に支持してしまいました。

 小泉首相はアメリカの新聞社とのインタビューに、「国内で反戦運動が盛り上がっている最中でのアメリカ支持です」と胸を張って答え、最大限に恩を売るという自己アピールに余念がありませんでした。己の政権存続のため「正しさ」を売り渡してしまったのです。
 
 こうした情けない事態が続くと、日本でも「本当のこと」を言ってくれる政治家が台頭するかもしれません。

2003/05/19 木村 三浩


会場の様子。中央が木村、左隣は書記長のブルーノ・ゴルニッシュ氏


ロシア自民党のジリノフスキー氏(左)にも再会

木村 三浩スピーチ


 お集まりの皆さま、

日本の愛国者団体・一水会を代表して、国民戦線結成三十周年記念大会への心からの祝意を表明し、尊敬するルペン党首および党幹部の皆さん、活動を支えてこられた皆様に、お招き頂いたことへの感謝を表明いたします。

2002年のフランス大統領選挙におけるルペン党首の大躍進は、世界中の愛国者に勇気と希望を与えました。これが示しているのは、独自の文化、伝統、価値観の破壊に対して危機感を募らせる人たちがますます増えているということです。アメリカのグローバリズムに危機感を感じる各国の人々が、愛国心に目覚めているのです。

実際に、伝統や歴史のないアメリカという国が、経済力と軍事力のみで世界を支配し、アメリカに都合のいいように再編しようとしています。先日は、歴史のない国アメリカが、文明の揺籃の地・イラクを攻撃しました。ブッシュ政権は査察継続を求める国際世論を無視し、自らの国益のためにイラクの体制を転覆したのです。

これは国際規範、国際法への明らかな違反です。これはイラクのみならず世界的な問題です。今こそ、我々愛国者が共に立ち上がり、アメリカのグローバリゼーションのもたらす暴力に対抗しなくてはなりません。

日本について話しますと、我々は日米安保条約のために第二次世界大戦終結以来、事実上アメリカの占領下に置かれています。現在の憲法はアメリカによって作られ、いまだ改正されておりません。アメリカの厳しい検閲により、あらゆる愛国的な言論が抑圧されました。

現在、日本全国に134の米軍基地があり、約4万7千人の米兵が駐留しています。最南端の沖縄県では県土面積の1割が米軍基地で占められ、沢山の地主が土地を奪われ、また海兵隊員による犯罪も横行しています。

長引く不況にもかかわらず、日本政府は年間6759億円を駐留米軍に支払い、これは駐留経費の70パーセントにあたります。防衛をアメリカに依存しているために、日本は独自の外交戦略を持つことがなく、アメリカの政策に常に追従せざるを得ません。

経済発展はしたものの、独自の外交政策や経済政策をとれないために、日本はまだ完全な独立国ではありません。これは我々にとって屈辱的なことです。日本の愛国者は、憲法を改正し、日米安保条約を破棄して、米軍基地を全て撤退させることによって、真の独立を取り戻そうと戦っているのです。

国家主権と国益、文化的な独自性と価値観を守るために、私たちはぜひ連帯し、意見と情報を交換しましょう。最後に、尊敬するリーダー・ルペン党首と国民戦線、そしてお集まりの全ての皆様の繁栄をお祈りし、結びの言葉に代えさせて頂きます。

ご清聴ありがとうございました。



■活動報告にもどる








SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送