これほど大義名分のないアメリカの攻撃に対し、小泉首相は「その場の雰囲気で」いち早く支持を表明した。しかし、その理由について国民に納得のいく説明がなされていない。
今回の政府の行動は、日本がこれまでの国連中心主義をかなぐり捨て、「中東・ヨーロッパ諸国を敵に回してもアメリカ側につく」という明確な外交方針のもとで行われたものなのか、それを問いたい。この間の政府首脳の発言・態度には、こうした覚悟や具体的戦略は見受けられず、ただ場当たり的にアメリカに追従するという主体性のなさが表れている。このことは国際社会からの信頼と尊敬を失わせ、長期的には日本の国益を損なうだろう。
また、広島・長崎での原爆体験は、我が国がアメリカはじめ各国を説得する際の、有効な道義的根拠であるといえる。今回の政府の行動により、こうした根拠すら失われた可能性がある。
以上の理由から、我々はアメリカの対イラク攻撃と、これに追随する日本政府の姿勢を厳しく糾弾し、一刻も早く攻撃を中止するよう要請するものである。
平成15年3月20日
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